「紅はるかと紅あずまの違いは?」
「どちらが美味しい?」
さつまいもを使った料理を楽しみたい方や、さつまいも自体に興味がある方の中には、紅はるかと紅あずまの違いを知りたい方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、紅はるかと紅あずまの違いを徹底的に解説しています。
特徴や見分け方なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
管理栄養士 料理研究家
坂本 星美 / 管理栄養士🍳毎日栄養いっぱい簡単レシピさん
在学中より食育NPO法人を設立し、のべ4000人以上の子ども達に食・栄養の楽しさを伝える。SNSの総フォロワー数は2.5万以上。大手料理教室でのアシスタントを経て、現在はテレビの料理コーナーへの出演、栄養指導、商品開発、食育本の監修などに様々関わる。食のサイエンスショーや子ども向け料理教室「ちゃれんじこどもクッキング」が大人気。
干し芋なら照沼がおすすめ!
農薬・化学肥料不使用、無添加
ねっとりした甘さが人気の「紅はるか」
メディアでも多数紹介され、
芸能人・スポーツ選手からも支持いただいています
紅はるかと紅あずまのそれぞれの特徴は?
さつまいもには様々な品種がありますが、紅はるかと紅あずまは特に人気の高い品種です。
これらの品種はそれぞれ独自の特徴を持ち、用途や好みによって選ばれています。
ここでは、紅はるかと紅あずまの特徴について詳しく解説します。
紅はるかの特徴
紅はるかは2010年に登録された新しい品種で、「(他の品種と比べて)はるかに優れている」ということから紅はるかと名付けられました。
その名の通り、群を抜いた糖度が特徴です。
農研機構九州沖縄農業研究センターで育成され、その高い糖度と滑らかな食感から、急速に人気を集めました。
生でも甘く、加熱するとさらに甘みが増します。
ねっとりした食感と、鮮やかな黄色の肉色も特徴的で、貯蔵性が高く時間とともに甘みが増すため、焼き芋や干し芋に最適です。
このような特性により、紅はるかは人気を集めています。
紅あずまの特徴
紅あずまは1985年に登録された歴史ある品種です。
加熱するとホクホクとした食感になり、昔ながらの焼き芋の味わいを楽しめます。
甘さは紅はるかほど強くありませんが、バランスの取れた自然な甘さと栗に似た風味が特徴です。
鮮やかな赤紫色の皮も魅力的です。
煮物や天ぷらなどの和食に適しており、伝統的な日本の味を好む人々に人気があります。
紅あずまは、古くから親しまれてきた日本のサツマイモの味を代表する品種と言えるでしょう。
紅はるかと紅あずまの違いを徹底比較
ここでは、紅はるかと紅あずまの違いについて徹底比較していきます。
2つの品種がどのように違うのか、一緒に見ていきましょう。
生産量の違い
紅はるか | 紅あずま | |
---|---|---|
生産量 | 2位(シェア21.1%) | 3位(シェア9.9%) |
農林水産省のデータによると、2021年に栽培されたさつまいもで作付が多かった品種は、1位コガネセンガン(21.3%)、2位べにはるか(21.1%)、3位ベニアズマ(9.9%)でした。
1位の品種であるコガネセンガンは主にいも焼酎の原料として使用されている品種であり、栽培量が多いですが、スーパーなどで見かけることは少ないかもしれません。
2位と3位がそれぞれ紅はるかと紅あずまで、どちらも人気のある品種だということがわかります。
産地の違い
紅はるか | 紅あずま | |
---|---|---|
産地 | 千葉県や茨城県など関東が中心 | 千葉県や茨城県など関東が中心 |
紅はるかは主に千葉県や茨城県など関東で多く栽培されており、この地域の冷涼な気候と砂質土壌が、紅はるかの食感と甘さを引き出すのに適しています。
紅あずまも千葉県や茨城県など関東地方が主な産地です。
大消費地である首都圏に近いという地理的利点も、紅はるかと紅あずまの栽培が盛んな理由の一つです。
交配品種と品種登録年月日の違い
紅はるか | 紅あずま | |
---|---|---|
品種名称 | べにはるか | ベニアズマ |
交配品種 | ・九州121号 ・春こがね | ・コガネセンガン(黄金千貫) ・関東859 |
出願日 | 2007/09/18 | 1984/03/31 |
登録日 | 2010/03/11 | 1985/07/18 |
紅はるかと紅あずまは、それぞれ異なる時期に開発された品種で、その交配品種と品種登録の経緯にも違いがあります。
紅はるか(べにはるか)は、九州121号と春こがねを交配して生まれた比較的新しい品種です。
2007年9月18日に出願され、2010年3月11日に正式に品種登録されました。
一方、紅あずま(ベニアズマ)は、コガネセンガン(黄金千貫)と関東859の交配から生まれた、より歴史のある品種です。
1984年3月31日に出願され、1985年7月18日に品種登録されました。
見た目と肉色の違い
紅はるか | 紅あずま | |
---|---|---|
見た目 | ・明るい赤紫色 ・凸凹が少ない | ・濃い赤紫色 ・ゴツゴツしている |
肉色 | 黄白 | 黄 |
紅はるかと紅あずまは、外観と肉色において違いがあります。
紅はるかの皮は明るい赤紫色をしており、表面は比較的滑らかで凸凹が少ないのが特徴です。
肉色は黄白色で、加熱すると鮮やかな黄色に変化します。
一方、紅あずまは濃い赤紫色の皮を持ち、表面はゴツゴツとした凹凸が目立ちます。
肉色は黄色で、紅はるかよりもやや濃い色調です。
加熱後も安定した黄色を保ち、馴染みのある見た目を楽しめます。
これらの外観の違いは、それぞれの品種の特性を反映しており、料理の用途や個人の好みに応じて選ばれることが多いです。
糖度と食感の違い
紅はるか | 紅あずま | |
---|---|---|
加熱前の糖度 | 30度前後 | 14度前後 |
加熱後の糖度 | 50〜60度 | 32度前後 |
食感 | ねっとり | ホクホク |
紅はるかと紅あずまは、糖度と食感において顕著な違いを示します。
紅はるかは糖度が30度前後と非常に高く、甘さが際立つのが特徴で、加熱するとさらに甘みが増し、ねっとりとした食感になります。
この高い糖度と食感から、焼き芋や干し芋に最適で、多くの方に好まれています。
加熱後はしっとりとした口当たりになり、まるでスイーツのような味わいを楽しめます。
一方、紅あずまの糖度は14度前後とやや控えめで、バランスの取れた自然な甘さが特徴です。
加熱するとホクホクとした食感になり、いわゆる「ホクホク系」の代表的な品種です。
加熱後は、口の中でほろほろと崩れるような食感を楽しめます。
この特性は、煮物や天ぷらなどの和食に適しています。
食べ方の違い
紅はるかと紅あずまは、それぞれの特性を活かした食べ方があります。
紅はるかは干し芋や焼き芋がおすすめ
紅はるかは、その高い糖度とねっとりとした食感から、干し芋や焼き芋にすることで最も美味しく楽しめます。
干し芋にすると、水分が抜けることでさらに甘みが凝縮され、しっとりとした食感が際立ちます。
この濃厚な甘さと独特の食感は、多くの人に好まれているのです。
焼き芋にする場合も、加熱によって自然の甘みがさらに引き出され、まるでスイーツのような味わいになります。
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ねっとりした甘さが人気の「紅はるか」
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紅あずまは天ぷらや大学芋がおすすめ
紅あずまは、ホクホクとした食感と適度な甘さから、天ぷらや大学芋などの調理法に適した品種です。
天ぷらにすると、外はサクッと中はホクホクという絶妙な食感が楽しめます。
紅あずまの自然な甘さが、天ぷらの衣のサクサク感と見事に調和します。
大学芋にする場合も、紅あずまのホクホクとした食感が大活躍。
砂糖をからめて揚げることで、表面はカリカリ、中はホクホクという食感のコントラストが生まれます。
紅はるかと紅あずまはどちらが美味しい?
紅はるかと紅あずまの美味しさは、それぞれの好みや料理の用途によって異なります。
どちらが優れているというよりも、それぞれの特性を活かした使い方をすることが重要です。
紅はるかの高い糖度とねっとりした食感は、焼き芋や干し芋に適している一方、紅あずまのホクホクとした食感と程よい甘さは、天ぷらや煮物などの和食に向いています。
結局のところ、「美味しさ」は主観的なものです。
甘さを好む人は紅はるかを、ホクホク感を楽しみたい人は紅あずまを選びましょう。
紅はるかと紅あずまの見分け方は?
紅はるかと紅あずまの見分け方は、主に見た目と肉色の違いに注目します。
紅はるかは明るい赤紫色の皮を持ち、表面は比較的滑らかで凸凹が少ないのが特徴な一方、紅あずまは濃い赤紫色の皮をしており、表面はゴツゴツとした凹凸が目立ちます。
肉色も違いがあり、紅はるかは黄白色で、加熱すると鮮やかな黄色になります。
紅あずまは黄色の肉色で、紅はるかよりもやや濃い色調です。
紅はるかを他の品種とも比較してみよう
品種 | 特徴 | 主な産地 | 糖度 | 食感 | 焼き芋の特徴 |
---|---|---|---|---|---|
紅はるか | しっとりねっとり 保存性が高い | 高い糖度鹿児島県など | 30度前後 | ねっとり | しっとり中身は鮮やかなオレンジ色 甘みと程よい食感と香りのバランスが良い | 皮が濃い紫色
鳴門金時 | 上品な甘さ ほっくりした食感 栗のような風味 | 徳島県鳴門市 | 13度前後 | ホクホク | 皮が赤紫色、中身は黄金色 皮がパリッとして中身がホクホク さつまいも本来の風味が強く素朴な味わい |
シルクスイート | なめらかでクリーミーな食感 水分量が多い | 茨城県、宮崎県 | 8度前後 | クリーミー しっとり | 皮が薄く中身はクリーム色から淡いオレンジ色 甘みが増し、スイートポテトのような味わい 口どけが良い |
安納芋 | 高い糖度 しっとりとした食感 栽培が難しく高価 | 鹿児島県種子島 | 20度前後 | しっとり とろける | 皮が黄色がかった茶色、中身は鮮やかな黄色 甘みが増し、スイートポテトのような味わい とろけるような食感と濃厚な甘さ |
紅あずま | でんぷん質が多く、ホクホクした食感 素朴な味わい | 茨城県、千葉県 | 14度前後 | ホクホク | 皮がパリッとして中身がホクホク 甘さは控えめだが自然な甘みが引き出される 昔ながらの焼き芋の味 |
さつまいもにはさまざまな品種があり、それぞれ独自の特徴を持っています。
紅はるかは高糖度でねっとりとした食感が特徴ですが、他の人気品種もそれぞれ違った魅力があるのです。
上記で紹介している品種は、それぞれ異なる糖度、食感、風味があり、用途や好みに応じて選ばれています。
さつまいもの主要な品種については、別の記事でも詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
さつまいもの品種についてよくある質問
さつまいもの品種に関しては、さまざまな質問が寄せられています。
ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。
干し芋で食卓と人生を豊かに
干し芋は茨城県の代表的な特産品ですが、照沼では約50ヘクタールの自社農園で主に紅はるかを生産し、自社工場にて干し芋の加工から販売までを自社管理のもと行っています。
また、食の安心安全や環境への配慮のため取組んでいる「農薬・化学肥料を使わない干し芋生産」の規模としては国内トップクラスです。
最近の干し芋需要の高まりを受けて、照沼の干し芋も各種メディアや著名人に取り上げていただき、日本最大級のさつまいも品評会である日本さつまいもサミットにて「さつまいも・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
干し芋は家族・友人や大切な方へのギフト商品として、また日常食として定期購入される方もたくさんいらっしゃいますので、ぜひ照沼の干し芋・さつまいも商品をお試しください。
品質にこだわった照沼の干し芋で、食卓と人生を豊かにするお手伝いができれば幸いです。
干し芋や焼き芋なら紅はるかがおすすめ
この記事では、紅はるかと紅あずまの違いについて紹介してきました。
2つの品種は似ているようで全く異なる品種であり、特徴や味、食感まで違うのです。
そのため、美味しい、甘い干し芋や焼き芋を食べたい方は、紅はるかから作られたものを食べるといいでしょう。