「干し芋は消化にいい食べ物?」
「干し芋の消化にかかる時間は?」
ダイエット中の方、または消化器に問題を抱えている方で、干し芋の消化について気になっている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、干し芋の消化について解説していきます。
消化にかかる時間や消化を助ける方法などについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者
管理栄養士・ヘルシー料理家
五賀洋佳(ひろ)⌇管理栄養士の置き換えレシピさん
Instagramで「家族も喜ぶダイエットレシピ」を紹介する管理栄養士で、SNSの総フォロワーは約10万人。野菜ソムリエの知識を活かしたwebメディアへのコラム執筆や企業向けレシピ作成を行っており、岡山県主催の食品ロス講師としても活動している。
干し芋は消化に良い?悪い?

干し芋の消化については、一概に良いとも悪いとも言えません。
食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境を整える効果がある一方で、消化に時間がかかる特徴があります。
これらの要因を詳しく見ていきましょう。
消化が良いとも悪いとも言えない
干し芋の消化については、個人の体質や摂取量によって異なります。
干し芋を適量摂取した場合であれば、消化が悪いということはありません。
しかし、一度に大量に摂取すると、腸に負担がかかり、消化不良を引き起こす可能性があるのです。
そのため、干し芋の消化は、摂取量や個人の体質によって変わるため、一概に良いとも悪いとも言えないのです。
腸内環境は整えられるが消化に時間がかかる
干し芋に含まれる食物繊維には、腸内環境を整える効果がある一方で、消化に時間がかかる特徴があります。
食物繊維が豊富に含まれているため、腸内細菌のエサとなり、善玉菌の増加を促進します。
そのため、腸内環境が改善され、便秘解消や腸の健康維持に役立つのです。
しかし、同時に食物繊維は消化に時間がかかる成分でもあります。
そのため、腸内環境を整える効果はありますが、消化には時間がかかる食品と言えるでしょう。
干し芋の消化にかかる時間は?

干し芋の消化にかかる時間は、約3時間と考えられます。
これは他の野菜や果物と比べるとやや消化が遅い部類に入ります。
干し芋は水分が少ないので、通常のさつまいもよりも消化に時間がかかる可能性があるでしょう。
また、干し芋に含まれる豊富な食物繊維が消化を遅らせる要因となっています。
ただし、消化にかかる時間は個人の体質や摂取量によっても異なるため、一概に言えない面もあります。
干し芋を食べる際は、適量を守り、よく噛んで食べることが消化を助けるポイントとなります。
干し芋の消化に時間がかかる理由

干し芋の消化に時間がかかる主な理由は、食物繊維が豊富に含まれていることと、水分量が少ないことです。
これらの要因が相まって、消化器系への負担を増やし、消化を遅らせています。
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
- 食物繊維が豊富に含まれているから
- 水分量が少ないから
①食物繊維が豊富に含まれているから
干し芋には豊富な食物繊維が含まれており、これが消化に時間がかかる主な理由の一つです。
食物繊維は人間の消化酵素では分解されにくい成分であり、胃や小腸での消化をほとんど受けません。
そのため、食物繊維は胃内に長くとどまり、他の栄養素の消化吸収を遅らせる効果があります。
また、不溶性食物繊維は水分を吸収して膨張する性質があるため、胃内で膨らみ、満腹感を与えると同時に消化を遅らせます。
さらに、食物繊維は腸内細菌によって発酵されるため、大腸での滞留時間も長くなりやすいです。
これらの要因が複合的に作用し、干し芋の消化に時間がかかるのです。
②水分量が少ないから
干し芋の消化に時間がかかるもう一つの理由は、水分量が少ないことです。
通常のさつまいもと比べて、干し芋は乾燥過程で水分が大幅に減少しています。
水分が少ないと、消化酵素が食物に作用しにくくなり、消化が遅くなります。
また、水分が少ないことで、乾燥した干し芋が胃液を吸収して膨らむため、胃内で膨張しやすいです。
膨張することにより、胃内での滞留時間が長くなり、結果として消化に時間がかかります。
干し芋を食べ過ぎるとどうなる?

干し芋は栄養価が高く健康的な食品ですが、食べ過ぎると様々な問題が生じる可能性があります。
主な影響として、体重増加、腹部膨満感、そして胃腸への負担が挙げられます。
これらの影響について詳しく見ていきましょう。
- 太る可能性がある
- お腹が張る
- 胃腸に負担がかかる
太る可能性がある
干し芋を食べ過ぎると、体重が増加する可能性があります。
干し芋は通常のさつまいもよりも栄養素が凝縮されており、特に糖質と炭水化物が豊富に含まれています。
100グラムあたり約277キロカロリーと、エネルギー密度が高いのが特徴です。
また、干し芋は食べやすく、気づかないうちにたくさん摂取してしまいがちです。
さらに、食物繊維が豊富なため満腹感が得られにくく、過剰摂取につながる可能性があります。
これらの要因により、摂取カロリーが消費カロリーを上回り、結果として体重増加につながる可能性があるのです。
▶︎干し芋の栄養素を見る
成分 | 含有量 (100gあたり) |
---|---|
カロリー | 277 kcal |
炭水化物 | 71.9 g |
たんぱく質 | 3.1 g |
脂質 | 0.6 g |
食物繊維 | 8.2 g |
ビタミンE | 1.3 mg |
カリウム | 980 mg |
鉄分 | 2.1 mg |

お腹が張る
干し芋を食べ過ぎると、お腹が張る症状が現れることがあります。
これは主に、干し芋に含まれる豊富な食物繊維と、乾燥していることにより水分を吸収する特性が原因です。
また、食物繊維は腸内細菌によって発酵されるため、ガスが発生し、これも腹部膨満感の原因となります。
これらの要因が重なり、干し芋を食べ過ぎるとお腹が張る不快感をもたらす可能性があるのです。
胃腸に負担がかかる
干し芋を食べ過ぎると、胃腸に過度な負担がかかる可能性があります。
干し芋は食物繊維が豊富で消化に時間がかかるため、大量に摂取すると胃腸の消化機能に負荷をかけます。
また、干し芋に含まれる糖質が多いため、腸内細菌の急激な増殖を引き起こし、ガスの過剰生成や腹痛、下痢などの症状を引き起こす可能性もあるでしょう。
特に消化器系が敏感な人や、普段から胃腸の調子が優れない人は、干し芋の食べ過ぎによる胃腸への負担に注意が必要です。
干し芋を食べるおすすめのタイミング

干し芋は栄養価が高く、様々な健康効果が期待できる食品です。
特に、便秘予防やダイエットを考えている時に効果的です。
これらのタイミングで干し芋を摂取することで、より大きな効果が得られる可能性があります。
それぞれの場合について詳しく見ていきましょう。
- 便秘を予防したい時
- ダイエットを考えている時
便秘を予防したい時
便秘を予防したい時、干し芋を食べることは効果的な対策の一つとなります。
干し芋に豊富に含まれる食物繊維は、腸内環境を整えます。
ただし、一度に大量に摂取すると逆効果になる可能性があるため、1日に50〜100グラム程度を目安に、水分と一緒に摂取することをおすすめします。

ダイエットを考えている時
ダイエットを考えている時、干し芋は適度に取り入れることで効果的な食品となります。
干し芋は低脂肪で、食物繊維が豊富に含まれているため、少量でも満腹感が得られやすく、食べ過ぎを防ぐ効果があります。
また、食物繊維は糖質の吸収を緩やかにするため、血糖値の急激な上昇を抑え、脂肪の蓄積を抑制する効果が期待できるでしょう。
さらに、干し芋に含まれるビタミンB群は、糖質や脂質の代謝を促進し、エネルギー産生を助けます。
ただし、干し芋は通常のさつまいもよりもカロリーが高いため、摂取量には注意が必要です。

干し芋を食べるのを避けた方がいいタイミング

干し芋を食べるのを避けた方がいいタイミングとしては、主に以下の場合が挙げられます。
- 就寝前
- 胃腸の調子が悪い時
まず、就寝前の摂取は避けるべきです。
干し芋は糖質が豊富なため、夜遅くに食べると血糖値が上昇し、質の良い睡眠を妨げる可能性があります。
また、ダイエット中の方は、カロリーが高いため夕方以降の摂取を控えめにした方が良いでしょう。
さらに、食物繊維が豊富なため、消化に時間がかかります。
干し芋の消化を助ける方法

干し芋は栄養価が高く健康的な食品ですが、消化に時間がかかることがあります。
以下に、干し芋の消化を助ける5つの方法を紹介します。
これらの方法を実践することで、より効率的に干し芋の栄養を摂取できるでしょう。
- 適量を守る
- 水分と一緒に食べる
- よく噛んで食べる
- 温かいものと一緒に食べる
- 食前に食べる
適量を守る
干し芋の適量を守ることは、消化を助ける重要な方法です。
一般的に、1日の摂取量は50〜100グラム程度が適量とされています。
これは、干し芋の栄養価が高く、少量でも十分な効果が得られるためです。
適量を守ることで、胃腸への負担を軽減し、消化不良やお腹が張るのを防ぐことができます。
水分と一緒に食べる
干し芋を水分と一緒に食べることは、消化を助ける効果的な方法です。
干し芋は水分が少ないため、胃内で膨張しやすい特徴があります。
水やお茶などの水分と一緒に摂取することで、干し芋の膨張を和らげ、消化を促進します。
よく噛んで食べる
干し芋をよく噛んで食べることは、消化を助ける簡単で効果的な方法です。
よく噛むことで、食物が細かく砕かれ、唾液とよく混ざります。
唾液に含まれる消化酵素が食物の分解を始め、胃での消化を助けます。
また、よく噛むことで満腹感が得られやすくなり、食べ過ぎを防ぐ効果にも期待できるでしょう。
温かいものと一緒に食べる
干し芋を温かいものと一緒に食べることは、消化を助ける効果があります。
温かい飲み物や食べ物は胃腸の血流を促進し、消化機能を活性化させます。
例えば、温かいお茶や味噌汁と一緒に干し芋を食べることで、消化が促進されやすいです。
また、温かいものは干し芋を柔らかくし、消化しやすくする効果もあります。
食前に食べる
干し芋を食前に食べることは、消化を助ける方法の一つです。
食前に少量の干し芋をしっかり噛んで食べることで、消化酵素の分泌を促し、消化を助けます。
また、食前の干し芋摂取は、食後の血糖値の急激な上昇を抑える効果もあります。
干し芋の消化についてよくある質問

以下に、干し芋の消化についてよくある質問とその回答をまとめました。
干し芋で食卓と人生を豊かに

干し芋は茨城県の代表的な特産品ですが、照沼では約50ヘクタールの自社農園で主に紅はるかを生産し、自社工場にて干し芋の加工から販売までを自社管理のもと行っています。
また、食の安心安全や環境への配慮のため取組んでいる「農薬・化学肥料を使わない干し芋生産」の規模としては国内トップクラスです。
最近の干し芋需要の高まりを受けて、照沼の干し芋も各種メディアや著名人に取り上げていただき、日本最大級のさつまいも品評会である日本さつまいもサミットにて「さつまいも・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
干し芋は家族・友人や大切な方へのギフト商品として、また日常食として定期購入される方もたくさんいらっしゃいますので、ぜひ照沼の干し芋・さつまいも商品をお試しください。
品質にこだわった照沼の干し芋で、食卓と人生を豊かにするお手伝いができれば幸いです。
干し芋は適量を守れば胃に優しい食べ物
この記事では、干し芋の消化について解説してきました。
干し芋は消化に良い食べ物とも悪い食べ物とも言えませんが、適量を守れば脂質が少なく胃腸に優しい食べ物です。
そのため、くれぐれも食べ過ぎには注意し、適量を水分と一緒に食べるようにしましょう。
適量を守ることで、干し芋の効果を最大限享受できます。